ダンプトラックなどの工事車両の運行を、衛星を用いたGPSにより管理するシステムを開発しました。このシステムは、車両のリアルタイムの走行経路と運行速度を同時に管理することができ、作業所事務所でのパソコンによる運行監視および記録と車両への指示などが可能です。
工事車両の通行は、騒音・振動などが大きく、現場近隣住民や一般通行車両へ影響を及ぼすため、社会問題となっています。このシステムでは車両の速度規制をきめ細かく実施することができるので、安全性や周辺環境の向上に大きく寄与できると期待しています。
下記のような特徴があります。
- ダンプトラックの位置や速度を、リアルタイムに事務所で確認できます。
- 位置と時間の情報および設定した区間の最高速度を、帳票に自動記録できます。
- 走行中の道路の制限速度を超過した場合には、運転手に音声による減速指示の警告を自動的に出すことができます。(工事エリア内で自主設定した制限速度をシステムに組み込むことができるため、運行ルートの区間ごとに制限速度が異なった場合でも対応が可能です。)
- 運行ルート上の注意箇所の手前にて、運転手に音声による注意内容の警告を自動的に出すことができます。(運行ルート上に注意箇所を自由に設定できます。例えば、一般道路と工事用道路の交差する場所での一時停止や、スクールゾーン手前での徐行を、音声で警告することができます。)
- 運行ルートに時間制限や通行台数制限がある場合でも、運行軌跡管理や音声警告による制限管理ができます。


装置は、シガレット電源に装着するだけです。
写真は実験時のプロトタイプです。実際は、さらにコンパクトにし、PDAはネットパソコンに変更されます。

- 運搬車両の速度管理ができるため、交通安全、周辺環境の保全がされます。
- 車両の位置と時刻や速度が記録されることにより、苦情時の対象車両が特定できるため、再発防止の対策が立てられます。
- 速度超過時の音声警告により、制限速度が厳守でき安全な走行ができます。
- 危険ポイントや注意ポイント手前での音声警告により、安全意識が高まり安全な走行が促されます。
- 運転手の安全・環境に対する意識が高まります。
実験的に片道2.6kmの土取場から造成エリアまでダンプトラックの運行を1週間程度行い、プログラム修正を行いながら実証しました。
工事名: |
西八千代北部NE工区外整地工事 |
発注者: |
UR都市再生機構 千葉地域支社 |
工期: |
2009年3月~2010年3月 |
コリンズ登録中