竹中土木

汚染地盤の加温式原位置浄化技術「温促バイオ®」が第25回国土技術開発賞で最優秀賞を受賞

2023.08.10

竹中土木(社長:竹中祥悟)と竹中工務店(社長:佐々木正人)は、汚染地盤の加温式原位置浄化技術「温促バイオ®」の開発※1 と展開が評価され、第25回「国土技術開発賞」(国土技術研究センター・沿岸技術研究センター共催、国土交通省後援)において最優秀賞を受賞しました。

 

 

※1「温促バイオ®」は横浜国立大学・岡山大学と共同で開発しています。

 

 

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表彰式(8月2日 東京国際フォーラムにて)

 

 

 

表彰状

 

 

国土技術開発賞とは

 

国土技術開発賞は、技術開発者に対する研究開発意欲の高揚並びに建設技術水準の向上を図ることを目的として、建設産業に係わる優れた新技術を表彰(国土交通大臣表彰)するものです。

 

→国土技術研究センター 国土技術開発賞とは

 

 

 

温促バイオ®の概要

 

クロロエチレン類(以下、VOC)に汚染された地盤に対し、微生物によるVOCの分解がもっとも活性化する約25~30℃に地盤を加温する機能と、不均質な地盤へ加温浄化剤を均一に注入する制御機能を両立したバイオスティミュレーション※2による原位置浄化※3システムであり、以下の特長があります。

(1)地盤を加温することで、土粒子に固着したVOCの脱離が促進され、微生物によるVOCの分解が容易になります。同時に微生物の活性度が向上し、VOCの分解速度が向上します。

(2)地盤中で加温浄化剤と同じ挙動をする、現地分析可能な蛍光トレーサー※4を用いて加温浄化剤の拡散状況を見える化します。これにより、加温浄化剤を均一に行き渡らせるように浄化システムの最適な運転制御を行うことができ、浄化不良や再汚染のリスクを低下します。

 

 

温促バイオの概要

 

 

今後の展開

 

竹中工務店・竹中土木は今後、土壌・地下水汚染が原因で土地の有効活用が停滞している土地などを中心に「温促バイオ®」の適用を提案し、土地の浄化と利活用の幅を大きく広げるとともに、土壌汚染対策の分野でのCO2排出の削減に貢献します。

 

 

※2バイオスティミュレーション:浄化剤を加えて汚染サイトに生息している微生物を活性化させて浄化する技術。

 

※3原位置浄化:汚染された土壌・地下水を、掘削を行わずにその場で浄化すること。

 

※4蛍光トレーサー:地下水流動調査でのトレーサー剤として実績があり、環境負荷が低い物質を選定しています。