技術・工法 |
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近年、夏場の都市部では夜間でも気温が下らないヒートアイランド現象が問題となっています。また、東京都下水道局では、下水道汚泥の100%焼却を実現したものの、焼却灰の資源化率は70%程度に留まっています。このような問題を解決する技術として、高い吸水能力と保水能力を持ち合わせた、下水道汚泥焼却灰(スーパーアッシュ)を保水材料として利用する保水性舗装を東京都下水道局、東京都下水道サービス株式会社、株式会社竹中道路と共同で開発しました。今後の適用拡大に期待が寄せられています。
保水性舗装とは、標準舗装より空隙率の高いポーラスアスファルト混合物を施工した後、空隙部に保水能力を持つ保水材を充填し、保水材に水を吸水させることで、夏場の暑い時期の路面の温度上昇を抑制する舗装技術です。都市部で問題となるヒートアイランド現象を抑制する技術として効果が期待できます。
保水性舗装には、下記のような特徴があります。
東京都下水道局砂町水再生センターで保水性舗装の試験施工を行い、施工性を確認すると共に路面温度低減量の測定をしました。その結果、保水材をアスファルト内部へ十分浸透させることができることを確認すると共に、標準舗装と比較し最大13.2℃の路面温度低減効果を確認することができました。
アスファルト敷き均し
保水材充填
保水材転圧
施工完了
サーモグラフィー撮影
路面温度測定結果
本研究は東京都の「ノウハウ+フィールド提供型共同研究」により、東京都下水道サービスおよび竹中土木と竹中道路が実施した共同研究です。