技術・工法 |
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液状化解析を目的としたプログラムとして、1987年にDIANAプロジェクトチームにより完成されたDIANA−J2を改良したプログラムです。
MuDIANでは、まず地盤状況を調査し、これを適切に解析・評価し、その対策を地盤改良の設計に反映させます。地震時の地盤の液状化を考慮した解析が出来るほか、地盤、梁構造物の非線型性を考慮した解析ができる3次元汎用地盤・構造物解析プログラムです。圧密、浸透問題も扱えます。2次元版は市販され独立行政法人土木研究所に納入されています。
従来は、水平成層状に均一な地盤で、建物が無い場合にしか、液状化の予測ができませんでした。
MuDIANでは、2次元3次元の立体的広がりをもった液状化予測が可能です。また液状化後の沈下予測も連続して解析できます。
MuDIANでは、3次元解析ができます。
下の例は格子状改良地盤(TOFT工法)模型の遠心振動実験をシミュレーションして得られた過剰間隙水圧比のコンター図を示しています。格子状改良地盤の液状化抑止効果を解析で確認することができ、解析を用いた合理的な設計が可能です。
液状化解析を行うためには、地震が来る直前の地盤の初期応力状態を求める必要があります。これをMuDIANではステージ解析で行います。
下図は、建物の施工過程を考慮した解析で、それぞれの施工段階の解析結果を示しています。Stage3の状態(構造物建設時)に地震がきて液状化した様子がStage4に表わされています。
メリケンパークオリエンタルホテル
兵庫県(1995)
設計:竹中工務店
延床:53,412m²
規模:地上14階
兵庫県南部地震直後の状態を示しています。
護岸は大きく破壊していますが、建物基礎では格子状改良地盤(TOFT工法)による液状化防止工法が採用されていたため、建物基礎の被害は無く永久変形は見られません。
メリケンパークオリエンタルホテル
被害を受けた周辺の突堤