竹中土木

DeepSWING 法

山岳トンネル湧水量予測

DeepSWING 法

「DeepSWING 法」は山岳トンネル工事中の坑内湧水量を高い精度で予測する技術です。従来の予測手法(SDA-SWING 法)を 3 次元に拡張するとともに、データ同化手法と深層学習を組み込むことで解析精度の向上を実現しました。

DeepSWING 法

従来手法における課題

従来のトンネル掘削に伴う地下水挙動を予測する SDA-SWING 法は、岩盤物性がほぼ一様で、湧水量の変動が小さい地山を対象とした評価法であるため、地盤の不均一性に起因した解析誤差が生じるとともに、将来予測に反映するシステムが簡易なため、予測精度に問題がありました。

三次元流れを考慮

坑口湧水量は、周辺地山の地下水位や掘削後の経過時間などの影響を受けます。従来手法では、未施工(未掘削)区間の奥行方向の地下水位は、掘削時に初めて水位低下が発生するものとして計算するため、湧水量の大きな変動が生じていました。

本手法では、井戸公式を準一様流から二次元流れに拡張するとともに、未施工区間の奥行方向についても模擬的に三次元流れを考慮し、それまでの掘削に伴う地下水流れによって既に地下水位が低下しているものとして実現象をふまえた計算を行えるようにしました。

三次元流れを考慮
図1 未施工区間の地下水位評価

深層学習の導入

既施工区間の実績データを基に未施工区間の透水係数を予測する手法として、深層学習を導入しました。

これにより、より詳細な透水係数の分布予測が可能となります。

深層学習の導入
図2 DeepSWING 法実施フロー
深層学習の導入
図3 透水係数の同定手順の違い

実トンネル計測結果

実トンネル工事において、従来手法(SDA-SWING 法)と開発手法(DeepSWING 法)を用いて、坑口から 700m地点までの同定実績を基にそれ以降の坑口湧水量を予測した結果、従来手法では 1,200m 以降、土被り増加に伴って坑口湧水量を過大に予測しているのに対して、本手法では、土被りが増えても湧水量が一定であることを深層学習し、高い精度で予測できていることを確認しました。

実トンネル計測結果
図4 実トンネルにおける湧水量予測と計測結果の比較

資料

参考情報

技術・工法