竹中土木

すべての技術は
社会のために。

技術職
研究開発
中村 慎
Nakamura Shin
技術・生産本部 技術開発部 
地下工法グループ
2013年入社
理工学研究科海洋土木工学専攻修了

望む道は自分の力で開く

現在私は、竹中技術研究所で研修生として研究活動に打ち込んでいます。竹中技術研究所は竹中グループ全体の新技術の創出及び実証フィールド。多様な専門分野の技術者が集い、先端技術の研究開発に挑んでいます。私自身は大学院の研究室に残ることも考えたほど、研究活動に関心を持っていました。施工管理として現場の工事に携わる中、ある共同企業体で一緒になった他社の技術者から研究所で学んだ話を聞き、私もより深く技術に精通するために竹中技術研究所での研修を志望するようになりました。以来、上司をはじめ多くの人に私の志望をアピール。公募制の研修制度である技術研究所研修生制度にも応募し、思いをかなえることができました。このように自ら望めば道を開くことができるのは、竹中土木の魅力の一つです。

地下ダム構築に貢献する技術

私が取り組んでいる研究テーマの一つが「地下ダム着底管理システムの開発及び現場支援」です。地中の地下水を止水壁で堰き止めて地下ダムをつくれば、離島などでの生活用水、農業用水の確保が容易になります。私が目指しているのは、その止水壁を地中のどの地点まで到達させればよいかをリアルタイムで確認できるシステムの開発。今までは必要掘削深度までの到達確認方法が、数十メートル掘削し、地上まで引き上げた後に目視で確認していましたが、その作業が不要になるため、経済的かつスピーディーに地下ダムを構築できるようになります。私にはシステム開発等の知見がなかったため、独学で勉強を重ねて、外部に依頼してシステムを開発。沖縄県宮古島で実際にテストを行いました。その結果は十分に満足できるもので、実用化へのお墨付きとなりました。離島で暮らす人々の生活に貢献できるという確信は、大きな達成感です。

人々の生活を支える喜び

「ため池耐震技術の検討業務」も大切なテーマです。ため池は国内に無数に放置されており、台風などでは大きな災害を引き起こしています。そこで将来懸念される巨大地震に備え、その耐震性を高めるための実験を進めています。人々の生命を守ることに直結する、非常に大きな社会的使命を担っての研究です。こういった研究を行う上で忘れてはならないのが、大学の研究とは違って、あくまで企業が主体となって行う研究であるという点です。つまり現場で困っていることを解決できると同時に、利益を生む技術であることも必要なのです。この点を忘れずに、今後も研究活動に取り組んでいきたいと思います。土木の仕事とは、目につかないところで人々の生活を支えるものです。宅地も、住宅が建って街ができれば、誰も造成工事のことなど思い出しません。だからこそ誇らしく、尊いと思うのです。その本質は、新技術の研究開発においても変わりません。