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走行式コンクリート診断システム

走りながらトンネル内のコンクリートの欠陥を非接触、非破壊で調査できる
「走行式トンネルコンクリート調査・診断システム」を開発

竹中土木・竹中工務店、京都大学、東京大学、東京工業大学は共同で、トンネル内のコンクリートのひび割れ、剥離、空洞の状態を検査機器を搭載した鉄道車両を走行させながら非破壊、非接触で調査、診断する「走行式トンネルコンクリート調査・診断システム」を開発しました。時速約5kmで走行する車両に検査機器を搭載し、収集したデータを評価・診断プログラムに入力、約1m四方の細かなメッシュ毎にトンネル内のコンクリートの危険度(補修の緊急度)を総合的に判定します。なお、本研究は、運輸施設整備事業団の「運輸分野における基礎的研究推進制度」に基づく研究課題として実施されたものです。

望まれる効率的で正確な診断技術の開発

コールドジョイント、ひび割れ、はく離、空洞などによって起こる、トンネル内のコンクリートの落下事故に対する防止対策が、社会的に注目されています。
現在は、経験豊かな調査員の膨大な労力、時間をかけて、

  1. 目 視:目でひび割れ、剥離の状態を探る。
  2. 打撃法:木槌でコンクリートを叩き、その音によって剥離などの状態を判断する。

という点検方法が実施されています。

今回開発した「走行式トンネルコンクリート調査・診断システム」は、トンネルコンクリート中の欠陥部に対して、信頼性の高い危険度判定を行うために、熟練を要する点検技術をハイテクで代替し、コンクリートの点検・調査をより効率的かつ正確に実施するものです。
走行式トンネルコンクリート調査・診断システム概略図

開発システムの概要

トンネルを走行する点検・調査用の車両には、

  1. コンクリート表面のひび割れ、ジャンカ、コールドジョイント等コンクリート表面の欠陥を確認する「ハイビジョンカメラ」
  2. ひび割れ方向や表層はく離等コンクリート表層部の欠陥を確認する「サーモグラフィー」
  3. 背面空洞、内部空洞、内部はく離等のコンクリート深部の欠陥を確認する「トンネルレーダー」

の3種の機器が搭載されています。

車両が約時速5kmで走行している間に、ハイビジョンカメラ、サーモグラフィー、トンネルレーダーがトンネルのコンクリートの状態を、非接触、非破壊で調査・点検します。それぞれから得られたデータを評価・診断プログラムに入力して、トンネル壁面を約1m四方に細かく分割したメッシュ毎に、補修の緊急度を「より高い」「高い」「異常なし」といった3段階に分けて評価します。この評価に基づいて適切な補修技術を選定します。
現在、「走行式トンネルコンクリート調査・診断システム」のプロトタイプが完成しています。

今後の展開

今後は、実際のトンネルの点検・調査に適用するために、鉄道(新幹線、在来線)あるいは道路など各種のトンネルごとに「走行台車」や「調査システム」の実用化を図っていくとともに、補修・補強を組み込んだトータルシステムの開発を進めていく予定です。また、調査・点検作業の飛躍的な合理化、効率化につながることから、建築物を含めた各種コンクリート構造物の診断から更新ニーズへの応用を図っていきます。