
的確で合理的な基礎設計を実現するための高精度な地盤調査技術
兵庫県南部地震のような大規模地震が発生すると、埋立地や緩い砂質地盤は液状化し、地盤の沈下や側方流動が発生して、建物などに甚大な被害を与えることがあります。液状化による被害を防ぐためには、地盤の特性を把握し、適切な基礎の設計を行う必要があります。しかし砂質や礫質土は試料が乱れやすいため、高品質な地盤試料の採取が困難で、地盤の性質を正確に把握することができませんでした。

兵庫県南部地震で液状化による
被害を受けた護岸
原位置凍結サンプリング法は、これまで試料の採取が難しかった砂質や礫質の地盤から、高品質な不撹乱試料を採取する方法です。地盤中に設置した凍結管に冷媒(液体窒素)を供給し、周辺地盤を凍結させた後コアボーリングで試料を採取します。凍結しているため、試料の乱れは発生しません。この方法の信頼性は、多くの実験により確認され、従来困難とされていた密度、液状化強度、静止土圧係数などの地盤定数の把握を可能としました。既に全国20箇所で適用実績をあげ、基礎の合理的かつ適切な設計に役立っています。

凍結サンプリング実施位置

コアサンプリングされた凍結土柱

原位置地盤凍結サンプリングの手順
シラス地盤に計画された事務所ビルの、液状化の可能性を検討したところ、標準貫入試験のN値による評価では深さ7m〜10mが液状化するという結果になり、地盤改良の適用が予定されました。しかし本手法を適用して採取試料の液状化強度を調べたところ、想定地震のもとでは液状化しないという評価が得られ、地盤改良工事が不必要となりました。工事全体としては、地盤調査の費用を差し引いても、コストダウンとなり、また工期短縮にもつながりました。

シラス地盤における液状化判定結果
◎印は、他の方法では正確な評価が難しいものを示しています。
本方法は下記の特許により、その新規性が示されています。
(他関連特許15件)